
「栃木県内の自治体で、解体費用に対する補助金は出ないのだろうか?」
お墓の継承者問題や経済的な事情から、墓じまい(改葬)を検討する方が栃木県内でも急増しています。しかし、いざ動き出そうとすると立ちはだかるのが「高額な費用」の壁です。ニュースで空き家解体の補助金の話を聞き、「お墓も対象になるのでは?」と期待される方も少なくありません。
結論から申し上げますと、残念ながら栃木県において、墓石の「解体撤去費用」そのものに対する直接的な現金給付(補助金)を行っている自治体はほぼ存在しません。
実は、制度の仕組みを正しく理解していれば、「既払金」を取り戻したり、公営施設の「減免制度」を活用したりすることで、トータルの出費を数十万円単位で安く抑えることは十分に可能です。
この記事では、栃木県全域(特に宇都宮市、小山市、栃木市、足利市、佐野市)の最新行政情報と、プロが実践する「費用を実質半額に近づけるための具体的なコストダウン術」を余すことなく解説します。正しい知識を武器に、後悔のない墓じまいを実現しましょう。
【結論】栃木県・主要都市の「墓じまい補助金」有無と最新状況
まずは、最も関心の高い「自治体からの金銭的支援」について、栃木県内の現状を包み隠さず解説します。インターネット上には古い情報や不正確な噂も混じっているため、2026年時点での最新の事実を把握することが重要です。
栃木県全体:解体工事に使える補助金は存在するのか?
墓じまいにおいて最もお金がかかるのが、石材店に依頼する「墓石の解体・撤去・更地化工事」です。これに対し、栃木県庁および県内の市町村が公式に「墓じまい解体補助金」という制度を設けているケースはありません。
よくある誤解として、「空き家の解体補助金」と混同されているケースが見受けられます。空き家対策特別措置法に基づく家屋の解体には補助が出る自治体が多いですが、お墓はあくまで「個人の宗教的建造物」または「祭祀財産」とみなされるため、税金による直接的な解体支援の対象外となっているのが現実です。
「補助金が出るという噂を聞いた」という場合、それは後述する「改葬に伴う使用料の返還」や「無縁墓になる前の特例措置」を指している可能性が高いでしょう。
宇都宮市・小山市・栃木市の制度状況
人口が多く、墓じまいの需要が集中している県内主要3市の状況を見ていきます。行政サービスには地域差が大きく、どの市にお墓があるかによって「使える手」が異なります。
各市の特徴
■栃木市の場合(最も手厚い)
栃木市は県内で最も墓じまい(墓地返還)に対するインセンティブが進んでいる地域と言えます。解体費用そのものは自己負担ですが、「永代使用料の還付制度」や「合葬墓への移行優遇(実質的な割引)」が存在します。詳細な条件は後述しますが、栃木市営墓地を利用している方は、他市に比べて恵まれた環境にあると言えます。
■宇都宮市・小山市の場合(低コストな受け皿を用意)
現金の給付はありませんが、その代わりに行政が「極めて安価な合葬式墓地」を用意することで、トータルの負担を下げる方針をとっています。例えば、民間の永代供養墓であれば数十万円かかるところを、数万円で済ませられる公営施設が整備されています。「補助金はないが、格安で移れる場所はある」というのがこの2市の特徴です。
足利市・佐野市の「ブロック塀撤去補助金」の可能性
足利市や佐野市などでは、地震対策の一環として「ブロック塀等撤去費補助金」という制度が運用されています。これは本来、倒壊の危険がある通学路沿いの塀などを撤去するためのものです。
極めて稀なケースですが、以下の条件をすべて満たす場合、墓地を囲っている「外柵(大谷石の塀など)」の撤去費用の一部に適用できる可能性がゼロではありません。
適用の可能性がある条件
- 墓地が公道(通学路や避難路)に面している。
- 塀の高さが規定(例:1メートル)以上である。
- 倒壊の危険性が認められる。
- 墓地内部の区画石ではなく、道路に面した「塀」であること。
ただし、これはあくまで「防災」の観点からの補助であり、「墓じまい」の支援ではありません。墓所内の墓石やカロート(納骨室)の撤去は対象外です。また、佐野市では申請前の「事前相談」が必須となっています。「使えたらラッキー」程度の認識で、まずは市役所の建築・防災担当課へ確認してみるのが良いでしょう。
補助金がない場合の「救済措置」とは?
経済的に困窮しており、どうしても費用が捻出できない場合のセーフティネットについても触れておきます。
生活保護を受給されている世帯の場合、福祉事務所に相談することで、最低限の「葬祭扶助(そうさいふじょ)」が適用されるケースがあります。ただし、これは「今亡くなった方の火葬・埋葬」に対する扶助であり、「先祖代々の墓を整理する費用」には原則適用されません。
しかし、放置すれば「無縁仏」となってしまうリスクがあるため、各自治体の生活課や行政の相談窓口では、分割払いの相談や、安価な供養方法の紹介など、何らかのアドバイスを行っています。「お金がないから放置する」のが最もリスクが高いため、まずは行政の窓口で「無縁墓にしたくない」という意思を伝えることが大切です。
補助金の代わりになる!「お金が戻ってくる」2つの隠れ制度
「補助金がない」と落胆する必要はありません。名目は違っても、結果的に「お金が戻ってくる」あるいは「免除される」制度が存在します。これらを知っているかどうかで、最終的な手出し金額が大きく変わります。
【重要】公営霊園の「永代使用料」返還制度
これは特に公営霊園(市営墓地)を利用している方が必ず確認すべき制度です。
通常、お墓を建てる際に支払った「永代使用料(土地を借りる権利金)」は、墓地を返還しても戻ってこないのが一般的です。しかし、栃木県内の一部の自治体では、条件付きでこのお金が戻ってくる条例があります。
特筆すべきは「栃木市」の事例です。
栃木市営墓地条例では、未使用の区画墓地を返還する場合、使用承認を受けてからの経過年数に応じて、既払いの永代使用料が還付されます。
還付の目安
- 使用承認から1年以内:90%還付
- 3年以内:70%還付
- 5年以内:50%還付
- 9年以内:10%還付
例えば、親族が「とりあえず場所だけ確保した」ものの、結局お墓を建てずに管理料だけ払っているようなケースでは、9年以内に決断して返還すればお金が戻ってきます。
これは「墓じまい」というより「墓所の返上」に近い手続きですが、相続した不要な土地を整理する際には大きな収入源となります。ご自身が契約している霊園の「管理規則」や「条例」を必ず読み返すか、管理事務所に問い合わせてみましょう。
国民健康保険の「葬祭費」支給(5万円)の勘違いと活用
よく「お墓の手続きで5万円もらえる」という話が出ますが、これは国民健康保険(または後期高齢者医療制度)の「葬祭費」のことです。
栃木県内の主要自治体(宇都宮市、足利市など)では、被保険者が亡くなった際、葬儀を行った方(喪主)に対して一律5万円が支給されます。社会保険(会社員)の場合は「埋葬料」という名目で同額が支給されます。
注意と活用法
■注意点
これはあくまで「葬儀」に対する給付であり、「墓じまい工事」への補助ではありません。また、申請期限は葬儀を行った日の翌日から2年以内です。
■活用法
もし、親御様が亡くなったタイミングに合わせて墓じまいを検討しているなら、この5万円を「解体費用の一部」として予算に組み込むことは可能です。行政から出る貴重な現金給付ですので、申請漏れがないよう確実に手続きを行いましょう。
「改葬許可申請」の手数料はいくら?
コスト削減を考える際、行政手続きの手数料も気になるところですが、ここに関しては安心してください。
栃木県内の多くの自治体において、墓じまいに必須となる「改葬許可証」の発行手数料は無料、もしくは数百円程度です。
- 宇都宮市・小山市など:基本的に手数料はかかりません(※証明書の種類により数百円かかる場合あり)。
業者に行政手続き代行を依頼すると数万円の代行手数料がかかりますが、自分で行えば、かかる費用は「役所までの交通費」のみです。行政コスト自体は非常に低く設定されているため、ここを節約する(=自分で手続きする)ことが、最初の確実なコストダウンになります。
栃木県での墓じまい「相場価格」を正しく知る
見積もりの妥当性を判断するためには、栃木県特有の「相場」を知っておく必要があります。特に栃木県は、地質や石材文化の影響で、他県とは異なる費用事情があります。
県内の墓石解体・撤去費用の平均単価(1㎡あたり)
栃木県における墓石撤去工事の相場は、1区画(約2〜3㎡)あたり10万円〜30万円が目安となります。面積ベースで言うと、1㎡あたり10万〜15万円程度です。しかし、以下の2つの要因で価格は跳ね上がります。
価格が上がる要因
1. 重機が入れるかどうか(立地条件)
トラックやクレーン、小型ユンボがお墓の真横まで入れる「平地」であれば、費用は安く済みます。逆に、山間部の寺院や、階段を登らなければならない難所の場合、職人が手作業で石を運び出す「小運搬(こうんぱん)」が必要となり、人件費がかさむため費用が2倍〜3倍(30万〜50万円以上)になることも珍しくありません。
2. 栃木県特有の「大谷石(おおやいし)」事情
宇都宮市周辺を中心に、外柵などに「大谷石」が使われているお墓が多くあります。大谷石は吸水性が高く、長年の雨風で水分を含んで非常に「重く」なっています。産業廃棄物の処分費は「重量」で計算されることが多いため、見た目の体積以上に処分コストがかかる傾向があります。また、風化してボロボロ崩れやすいため、撤去時の清掃・整地に手間がかかることも、見積もりが高くなる要因の一つです。
魂抜き(閉眼供養)のお布施相場
お墓を解体する前には、墓石に宿った魂を抜く宗教儀式「閉眼供養(へいがんくよう・魂抜き)」を行います。
栃木県内の寺院におけるお布施の相場は、3万円〜5万円程度が一般的です。これに加えて、住職に墓地まで来てもらうための「お車代(5千円〜1万円)」が必要になる場合があります。
寺院との付き合いがない場合や、公営霊園の場合は、石材店や僧侶派遣サービスを通じて依頼することも可能です。その場合の相場も3万円台〜と比較的定額で安定しています。
行政書士等の代行業者に頼む場合の追加費用
墓じまいには「改葬許可申請」などの役所手続きが必要です。これを自分で行わず、行政書士や代行業者に丸投げする場合の相場は以下の通りです。
- 行政手続き代行:3万円〜5万円
- 現地立会い・遺骨取り出し代行:2万円〜5万円
- フルサポート(交渉含む):10万円〜15万円
これらはあくまで「オプション費用」です。平日に半日ほど時間が取れるのであれば、自分で役所に行くことで全額カットできる費用です。
離檀料(りだんりょう)のトラブルと相場
寺院墓地(お寺の境内にあるお墓)を墓じまいする場合、最も懸念されるのが「離檀料」です。これは「これまでお世話になったお礼」として包むお布施であり、法的な支払い義務はありません。
しかし、栃木県の特に農村部などでは、寺院と檀家の結びつきが強く、口約束で長年お墓を維持してきたケースも多いため、突然の申し出に対して高額な請求をされるトラブルが稀に発生します。
高根沢町などが注意喚起を行っているように、本来は「気持ち」であるはずのものが、「撤去の違約金」のように扱われることがあります。
円満に離檀するための相場としては、法要1回〜3回分程度(3万円〜15万円程度)を包むのが一般的で無難です。もし数百万単位の請求をされた場合は、支払わずに弁護士や消費生活センターへ相談すべき案件となります。
補助金なしでも安く済む!栃木県民のための「コスト削減」5ステップ
補助金がなくても、やり方次第で費用は劇的に下がります。ここでは、プロが推奨する具体的なコストダウンの手順を5段階で解説します。
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1「相見積もり」で解体業者を競わせる
最も効果的なのは、解体工事の「相見積もり」をとることです。
指定石材店(霊園が決めた業者しか入れないルール)がない場合、自由に業者を選べます。A社では40万円と言われた工事が、B社では25万円で済むといったケースはザラにあります。
特に栃木県の大谷石処分や難所工事の経験豊富な業者と、そうでない業者では見積もりの精度が異なります。最低でも2〜3社から見積もりを取り、「他社は〇〇円でした」と伝えるだけで、適正価格まで下がることが期待できます。
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2遺骨の引越し先を「公営合葬墓」にする
墓じまい後の遺骨の行き先(改葬先)をどうするかで、総額の桁が変わります。
栃木県民であれば、自治体が運営する「公営合葬墓(がっそうぼ)」を利用するのが最強のコストダウン策です。
主要公営施設の料金
- 宇都宮市(聖山公園・東の杜公園):1体あたり 25,000円
※県内最安クラス。ただし「市内居住6ヶ月以上」などの要件あり。
- 小山市(やすらぎの森):1体あたり 75,000円
※市外居住者でも利用可能だが料金が異なる。
- 栃木市(聖地公園):1体あたり 10万円(※特例で実質無料になるケースあり)
民間霊園で新たにお墓を建てると100万円以上、納骨堂でも50万円前後かかりますが、公営合葬墓なら数万円で済みます。管理料も不要になるケースが多く、将来の負担もゼロになります。
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3「海洋散骨」という選択肢(関東近郊の海へ)
お墓という「形」にこだわらない場合、海洋散骨も経済的な選択肢です。
栃木県には海がありませんが、東京湾や茨城沖、相模湾などでの散骨を行う業者が多数存在します。
遺骨を業者に郵送し、散骨を代行してもらう「委託散骨」プランであれば、5万円〜6万円程度(粉骨費用込み)で済みます。遺骨をパウダー状にする「粉骨」は必須ですが、墓地の維持費も一切かからなくなるため、「子供に負担を残したくない」という方に選ばれています。
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4お寺との交渉術「正直に予算を伝える」
離檀料で揉めないための最大のコツは、「経済的な事情」を正直かつ誠実に伝えることです。
「お寺が嫌いになったから辞める」のではなく、「高齢で年金暮らしのため、管理費を払い続けるのが困難になった」「子供たちに金銭的負担をかけたくない」と、窮状を相談するスタンスで話を切り出しましょう。
まともなご住職であれば、経済的に困窮している檀家に対して無理難題を言うことはありません。対話を重ねることで、お布施の額を配慮してもらえる可能性が高まります。
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5「墓じまいパック」等の定額サービス活用
「自分で複数の業者とやり取りするのは面倒」「追加料金が怖い」という場合は、全国対応の「墓じまい代行パック」を利用するのも手です。
行政手続き、閉眼供養の手配、解体工事、遺骨の取り出しまでをワンストップで引き受け、「1㎡あたり〇〇円」といった定額制を敷いているサービスがあります。
特に、遠方に住んでいて栃木県のお墓になかなか帰れない方にとっては、交通費や宿泊費を考慮すると、結果的にパックにお願いしたほうが安く済むケースが多いです。
【地域別】栃木県の公営・格安「遺骨受け入れ先」リスト
ここでは、実際に「次の納骨先」として有力な候補となる、県内の主要な公営・格安施設をまとめました。
宇都宮エリア(聖山公園・北山霊園ほか)
聖山公園・東の杜公園(宇都宮市)
- 合葬式墓地:宇都宮市民なら25,000円から利用可能。使用許可日から3年以内に納骨する必要があります。生前申し込みも可能です。
- 特徴:非常に広大で管理が行き届いています。とにかく安く済ませたい宇都宮市民の第一候補です。
県南エリア(小山市・栃木市・足利市)
小山聖苑・やすらぎの森(小山市)
- 合葬式墓地:1体 75,000円。2体用(夫婦など)は15万円。
- 条件:小山市に1年以上居住していること。焼骨を持っていること。
- 特徴:芝生墓地か合葬墓かを選べますが、1世帯につきどちらか一方しか利用できません。
栃木市営聖地公園(栃木市)
- 合葬墓:市内居住者は1体 10万円。市外居住者は15万円。
- 特例:前述の通り、市営の一般墓地を返還して合葬墓に移る場合、1体分の使用料が免除(無料)になります。これは栃木市独自の強力な支援策です。
県北エリア(那須塩原市・大田原市)
県北エリアでは、大規模な公営合葬墓の情報は県央・県南に比べて限定的です。各市町村の広報を確認する必要がありますが、地域の共同墓地や、寺院が運営する「永代供養塔」がその役割を担っているケースが多いです。公営にこだわらず、30万円前後で受け入れてくれる民間の永代供養墓を探すのが現実的です。
民間霊園の「永代供養付き樹木葬」という選択
公営霊園は「抽選」であったり、「居住年数制限」があったりと、すぐに入れない場合があります。その際の受け皿として人気なのが、民間霊園の「永代供養付き樹木葬」です。
栃木県内でも増えており、相場は30万円〜50万円程度。合葬墓よりは高くなりますが、個別のプレートにお参りができ、最終的には土に還る(あるいは合祀される)ため、継承者がいなくても無縁仏になる心配がありません。
栃木県での墓じまい手続き「完全マニュアル」
いざ実行に移す際、どのような手順で進めればよいのでしょうか。栃木県での一般的なフローを解説します。
まず確認!「指定石材店」制度とは?
解体工事の見積もりを取る前に、必ず確認すべきルールがあります。
民営霊園や一部の寺院墓地には、「指定石材店」制度があります。これは、「この霊園での工事は、〇〇石材店しかやってはいけない」という取り決めです。
もし指定石材店がある場合、残念ながら相見積もりはできません。その業者の言い値に従うことになります。公営霊園や地域の共同墓地(みなし墓地)であれば、基本的に業者は自由に選べます。まずは墓地の管理者に「石屋さんは決まっていますか?」と確認することから始めましょう。
step
1新しい納骨先の確保(受入証明書)
今の墓を解体する前に、「次の行き先」を決めなければなりません。
遺骨は法律上、勝手に自宅に置いておいたり、山に捨てたりすることはできません。次の納骨先(合葬墓、樹木葬、散骨業者など)と契約し、「受入証明書(うけいれしょうめいしょ)」または「墓地使用許可証」を発行してもらいましょう。これが改葬許可の必須書類となります。
step
2既存墓地での「埋葬証明書」取得
現在のお墓の管理者(お寺の住職や霊園管理事務所)に、墓じまいをする旨を伝え、「埋蔵証明書(まいぞうしょうめいしょ)」に署名・捺印をもらいます。
これは「確かにここに誰々の遺骨があります」という証明です。ここが、お寺との話し合い(離檀交渉)のタイミングとなります。
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3市町村役場での「改葬許可申請」
現在のお墓がある市町村の役場(市民課、環境課、生活衛生課など)へ行きます。
以下の書類を提出します。
提出書類リスト
- 改葬許可申請書(窓口で貰うか、市HPからダウンロード)
- 受入証明書(手順1で取得)
- 埋蔵証明書(手順2で取得)
- 申請者の身分証明書
書類に不備がなければ、「改葬許可証」が発行されます。これが遺骨の「パスポート」になります。
※栃木県内の多くの自治体では郵送での申請も受け付けていますが、事前に電話確認することをお勧めします。
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4魂抜きと解体工事の実施
石材店と工事日程を調整し、工事を実施します。
一般的には、工事の直前に僧侶による「閉眼供養(魂抜き)」を行い、遺骨を取り出します。その後、石材店が墓石を解体・撤去し、更地に戻します。
取り出した遺骨が汚れていたり、骨壺に水が溜まっていたりする場合(栃木県の古いお墓ではよくあります)、「洗骨(せんこつ)」や新しい骨壺への移し替えが必要になることがあります。
よくある質問(Q&A)
最後に、栃木県での墓じまいに関してよく寄せられる疑問にお答えします。
行政手続きは郵送で対応できる自治体が多く、お寺や石材店とのやり取りも電話やメールで可能です。遺骨の取り出しや送付までを行ってくれる「墓じまい代行サービス」を利用すれば、現地に行かずに全ての手続きを終えることができます。
お墓の権利者(祭祀承継者)であれば、法的には単独で墓じまいを決定できます。しかし、後になって「勝手に処分した!」と親族から訴えられるリスクがあります。連絡が取れない場合でも、手紙を送る、官報に掲載する、お墓に立て札を立てるなど、最低限の周知努力を行った証拠を残しておくことが重要です。
栃木県では、昭和中期以前のお墓から「土葬(火葬されていない遺骨)」が出てくることが珍しくありません。この場合、そのままでは新しい施設に納骨できないため、再度火葬場へ運び、焼骨にする必要があります。
再火葬の許可申請と、火葬料金(数千円〜数万円)、搬送費用が別途発生します。古いお墓の場合は、見積もり時に「土葬の可能性がある」と伝えておくべきです。
法的プロセスを経て、行政や霊園管理者が強制的に撤去・合祀することが法律で認められています(墓埋法)。ただし、これには時間がかかりますし、判明した親族に対して撤去費用が請求されるリスクもゼロではありません。「立つ鳥跡を濁さず」の通り、ご自身の代できちんと整理することをお勧めします。
現時点では、栃木県内の自治体で解体補助金を新設する動きは活発ではありません。しかし、空き家対策のように今後制度が変わる可能性はゼロではありません。毎年4月の年度替わりのタイミングで、市町村の広報誌やホームページの「くらし」欄を確認してみる価値はあります。
まとめ
栃木県における墓じまいは、残念ながら「解体工事への直接的な補助金」は期待できません。しかし、だからといって高額な費用をそのまま受け入れる必要はありません。
まとめ
- 公営霊園の還付金や合葬墓の減免制度(特に栃木市)を確認する。
- 公営合葬墓(宇都宮市2.5万円〜)を利用して、次の住処のコストを極限まで下げる。
- 相見積もりを取り、大谷石処分や難所工事に強い、良心的な業者を探す。
- お墓を持たない「海洋散骨」や「送骨」という選択肢も視野に入れる。
これらの工夫を組み合わせることで、当初の見積もりよりも数十万円安く墓じまいを完了させることは十分に可能です。
まずは、ご自身のお墓の状況(広さ、石の種類、立地)で、実際にいくらかかるのかを知ることから始めましょう。親族が集まる法事やお盆のタイミングで相談できるよう、今すぐ無料の見積もりサービスで「現実的な数字」を取り寄せてみてください。