
「自分たちの代で墓を畳みたいが、正直なところ貯金に余裕がない」
もし、この費用の一部を行政が負担してくれるとしたらどうでしょうか? あるいは、知っているだけで数十万円単位のお金が戻ってくる制度があるとしたら?
結論から申し上げますと、墓じまいの補助金制度は「多くの自治体には存在しません」が、例外的に支給している地域や、「補助金」という名前ではないものの、実質的にお金が戻ってくる「隠れ支援制度(還付金)」が存在します。
この記事では、自治体が実施している具体的な支援事例や、補助金がない場合でも費用を劇的に抑えるための節約術、そして知らないと損をする「還付金」の仕組みについて、徹底的に深掘りして解説します。諦める前に、まずは使える制度がないかを確認し、賢く負担を減らす方法を見つけていきましょう。
【結論】墓じまいの補助金制度はある?3つの「お金の支援」パターン
「墓じまいに補助金は出るのか?」という問いに対する答えは、お住まいの地域や利用している霊園の種類によって異なります。支援の形は大きく分けて以下の3つのパターンに分類されます。
多くの自治体では「墓じまい単体」の補助金はないのが現実
まず、現実的な側面として理解しておかなければならないのは、全国1,700以上ある自治体のうち、墓じまい(改葬)に対して現金を給付する補助金制度を設けているのは、ごく一部に限られるということです。
これには明確な行政上の背景があります。お墓は法的に「祭祀財産(さいしざいさん)」と定義され、個人の私有財産、あるいは特定の親族間で継承・管理されるべきものと位置づけられています。「空き家」の解体に補助金が出やすいのは、倒壊による近隣への被害や放火リスクといった「公衆衛生・保安上の危険」が地域社会全体に及ぶため、税金を投入する大義名分が立つからです。
一方、お墓の維持管理や撤去費用は、あくまで使用者個人の経済的問題や宗教的心情の問題として扱われる傾向が強く、そこに公金(税金)を投入する優先順位は低くなりがちです。したがって、基本的には「自己負担が原則」であると考えた上で、例外的な支援策を探していく姿勢が必要です。
パターンA:【激レア】撤去費用を直接補助してくれる自治体
全国的に見ても非常に稀有な例ですが、使用者が墓所を更地にして返還する際にかかる「墓石の撤去・解体費用」そのものを補助する自治体が存在します。
これらの制度は、主に「墓地返還促進事業」や「改葬助成金」といった名称で運用されており、自治体が「霊園区画の空き(循環)」を強く求めている都市部や、無縁墓の増加に悩む地域で見られます。
例えば、千葉県市川市や群馬県太田市などが代表例です。これらの自治体では、墓石の撤去工事にかかった実費の一部(上限20万円〜40万円程度)が支給されます。ただし、予算枠に達し次第終了となったり、「管理料の滞納がないこと」「指定された期間内に工事を完了すること」など厳しい条件が課されたりすることが一般的です。
パターンB:【本命】永代使用料の「返還(還付金)」制度
これが、多くの公営霊園利用者にとって最も現実的かつ高額な「隠れ補助金」となります。正確には補助金ではなく、契約時に支払った「永代使用料(墓所使用料)」の一部が戻ってくる「還付金(かんぷきん)」です。
公営霊園(市営・県営・都立など)を使用する際、最初に数十万円〜数百万円の「永代使用料」を支払いますが、これは「土地を購入した代金」ではなく、「永代にわたって使用する権利を借りるための前払い金」です。そのため、多くの自治体では条例により「使用を終了し、更地にして返還する場合、既納の使用料の一部を還付する」という規定を設けています。
注意
民間霊園や寺院墓地では「永代使用料は返還しない」という契約が一般的ですが、公営霊園では「5年以内なら50%」「20年以内なら既納額の半額」といった形で、数万円から数十万円が現金で戻ってくるケースがあります。これを知らずに請求手続きを漏らしてしまうと、大きな損失となります。
パターンC:【現物支給】撤去費用の免除・合葬墓の無償提供
「現金」は貰えませんが、「本来支払うべき費用」を免除してもらうことで、経済的メリットを享受するパターンです。特に東京都立霊園などの大規模な公営霊園や、財政規模の大きい自治体で見られる制度です。
通常、借地(墓地)を返す際は、借主の負担で更地に戻す(墓石を撤去する)「原状回復義務」があります。しかし、特定の条件下(承継者がいない、経済的に困窮している等)で、自治体がこの義務を免除し、お墓をそのままの状態、あるいは自治体負担で撤去してくれる制度があります。
また、撤去後の遺骨の行き先として、自治体が運営する「合葬墓(共同墓)」を無償または格安で提供してくれるケースもあります。これにより、「解体費(約20〜30万円)」と「次の納骨費(約10〜30万円)」が浮くことになり、実質的に50万円相当の支援を受けたのと同じ効果が得られます。
【2026年最新】墓じまい補助金・支援制度がある自治体一覧リスト
ここでは、実際に支援制度を設けている自治体の事例を紹介します。お住まいの地域が含まれていなくても、近隣の自治体で実施されていれば、自分の自治体にも類似の制度(特に還付金制度)がある可能性があります。
北海道・東北エリア(苫小牧市などの事例)
北海道や東北エリアでは、広大な土地がある一方で、過疎化や人口流出に伴う無縁墓対策が急務となっており、墓じまいを促進するための独自の助成制度が見られます。
北海道苫小牧市では、「墓所返還支援事業」を実施しています。これは、市指定の金融機関(苫小牧信用金庫)の「お墓のローン」を利用して墓じまいを行う場合、その利子や保証料相当分(上限5万円など)を助成するというユニークな制度です。まとまった現金がない層への資金調達支援として機能しています。
また、茨城県水戸市では、市営の公園墓地を返還する際、「協力金」という名目で7万円〜最大90万円以上(区画の種別や面積による)が支給される制度があります。これは実質的な使用料の還付に近いですが、名目を「協力金」とすることで、より積極的な返還を促しています。
関東エリア(市川市・太田市・浦安市・東京都)
関東エリア、特に首都圏近郊は、日本で最も墓じまい支援が充実しているエリアです。地価が高く墓地不足が深刻であるため、自治体が予算を投じてでも既存区画の回転率を上げたいという強い動機があるためです。
- 千葉県市川市: 「市川市霊園一般墓地返還促進事業」として、区画サイズに応じて7.5万円〜最大44万円の助成金が出ます。さらに、通常は抽選となる合葬式墓地の使用許可がセットになる特例措置もあります。
- 千葉県浦安市: 「墓所返還者等支援事業」を実施。墓地公園の返還者に対し、撤去費用として上限15万円を補助するほか、通常かかる合祀室の使用料(数万円)が全額免除されるという、非常に手厚い「完結型支援」です。
- 群馬県太田市: 「八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金」として、撤去費用の実費または20万円の低い方を支給しています。
- 東京都(都立霊園): 「施設変更制度」により、既存の一般墓地を返還することを条件に、合葬埋蔵施設の使用料を免除しています。撤去費の現金補助はありませんが、次の供養先の費用が無料になり、その後の管理料も不要になります。
関西・西日本エリア(大阪市・岸和田市・神戸市など)
関西エリアでは、直接的な工事費補助金よりも、「永代使用料の還付」や「合葬墓への優遇」が充実しています。
- 大阪府岸和田市: 岸和田市墓苑(流木墓苑)では、返還時に永代使用料の50%〜80%が還付されます(1年未満なら80%、1年以上なら50%)。さらに、「設置物件所有権放棄等申立書」を提出することで、墓所の囲障(外柵・巻石)の撤去を市に委ねることができる免除制度も存在します。
- 大阪府泉大津市: 公園墓地の返還時に、使用期間(15年未満、30年未満など)に応じて永代使用料の30%〜50%が還付されます。
- 兵庫県神戸市: 市立墓園(鵯越墓園等)を返還して合葬墓に移る場合、通常5万円の合葬墓使用料が半額の2.5万円に減免される措置があります。
- 岡山県玉野市: 霊地を使用せずに(納骨前に)返還する場合などに、既納使用料の50%が還付される制度があります。
自分の地域の制度を「1分で調べる」検索テクニック
「自分の市には補助金がない」と諦める前に、正しい検索方法で再確認しましょう。多くの方は「〇〇市 墓じまい 補助金」と検索してしまいますが、これではヒットしない情報があります。
検索のポイント
行政用語である「返還」や「還付」という言葉を使うのがポイントです。
- 「[自治体名] 霊園 返還 還付金」: これが最もヒットしやすいキーワードです。
- 「[自治体名] 墓地条例」: 条例の「使用料の還付」という条項を直接確認します。
- 担当課へ電話: ネットで見つからない場合は、「霊園管理課」や「公園課」へ電話し、「墓じまいの補助金はありますか?」ではなく、「公営墓地を返還する場合、永代使用料の還付制度はありますか?」と具体的に聞いてください。
補助金がない!それでも費用を安く抑える「7つの節約術」
残念ながら補助金も還付金も対象外だった場合でも、費用を数十万円単位で安くする方法はあります。ここでは、プロが実践する7つのコストダウン術を解説します。
節約術1:【相見積もり】解体業者は必ず3社比較する
墓じまい費用の中で、最も不透明かつ高額になりがちなのが「墓石の解体・撤去費用」です。この費用には定価がなく、業者によって価格設定が大きく異なります。
公営霊園や、一部の共同墓地(「指定石材店」がない墓地)では、施主が自由に解体業者を選べるため、必ず最低3社から見積もりを取る「相見積もり」を行ってください。 A社で50万円と言われた工事が、B社では30万円で済むといったケースは日常茶飯事です。
特に、インターネットで全国対応している「墓じまい代行業者」と、地元の「石材店」の両方から見積もりを取り、比較検討することが重要です。指定石材店制度がある民間霊園の場合は相見積もりができませんが、その場合でも「他ではこのくらいの金額らしい」という相場を知っておくことで、交渉の材料になることがあります。
節約術2:【移転先】「合祀墓(ごうしぼ)」を選んで維持費ゼロへ
墓じまい費用の総額を決定づける最大の要因は、撤去費ではなく「次の遺骨の行き先(改葬先)」の費用です。ここをどう選ぶかで、数十万円から数百万円の差が出ます。
最も経済的な選択肢は「合祀墓(ごうしぼ)」または「合葬墓(がっそうぼ)」です。これは、骨壺から遺骨を取り出し、他人の遺骨と一緒に大きな地下カロート等に埋葬する方法です。
個別の墓石を建てないため土地代や石代がかからず、初期費用は3万〜10万円程度で済みます。また、埋葬後の「年間管理費」も0円になるケースが大半であるため、将来的な子供への負担も完全に断ち切ることができます。
節約術3:【行政手続】代行業者を使わず自分で申請する
墓じまいには「改葬許可申請」という行政手続きが法律で義務付けられています。これを石材店や行政書士などの代行業者に依頼すると、3万〜5万円程度の手数料がかかります。
しかし、手続き自体は決して複雑ではありません。基本的には「申請書に記入し、今のお寺にハンコをもらい、役所に出す」だけの3ステップであり、役所の窓口に行かなくとも郵送で完結できる自治体がほとんどです。
証明書の発行手数料(数百円〜千円程度)の実費だけで済むため、少しの手間で数万円の節約になります。
節約術4:【お布施】離檀料のトラブル回避と相場交渉
寺院墓地(檀家制度があるお墓)を墓じまいする場合、最大の懸念点は「離檀料(りだんりょう)」です。これは、檀家をやめる際にお寺へ支払うお布施の一種ですが、法的な支払い義務はありません。 あくまで「長年の感謝の気持ち」として包むのが慣習です。
一般的な相場は法要1回〜3回分(3万〜20万円程度)ですが、稀に高額な請求をされるトラブルがあります。ポイントは、「離檀します(辞めます)」と一方的に通告するのではなく、「生活環境の変化で維持が困難になったので、相談させてほしい」と下からお願いする姿勢で話を持ちかけることです。
もし高額請求された場合は、弁護士や本山(宗派の本部)に相談する、あるいは「支払えるのはこれが精一杯です」と誠意を持って交渉することで、減額されるケースも多々あります。
節約術5:【自治体活用】「送骨」や「無縁塚」の利用検討
極端に予算がない場合、あるいは高齢で遠方への移動が困難な場合に有効なのが「送骨(そうこつ)」サービスです。これは、遺骨をゆうパックなどの配送サービスを使って霊園に送り、現地に行かずに合祀してもらう方法です。
交通費がかからず、全国どこからでも安価な霊園(地方の寺院など)を利用できるため、3万円〜5万円程度で改葬が完結します。
また、どうしても身寄りがない、資金がない場合は、自治体が管理する「無縁塚(無縁納骨堂)」への納骨を福祉課経由などで相談できる場合もあります。
節約術6:【時期】閑散期を狙って工事費を交渉する
石材店にも「繁忙期」と「閑散期」があります。お盆(7-8月)、お彼岸(3月・9月)、年末年始は忙しく値引きは困難ですが、「梅雨時(6月)」や「冬の厳寒期(1月-2月)」は工事が減るため、交渉の余地が生まれます。
相見積もりの際、「時期は急がないので、お宅の空いている時期や暇な時期に合わせて工事をしてほしい。その分、安くできないか?」と伝えるのが効果的です。工期を業者に委ねる(フリーにする)ことで、業者も稼働の穴埋めができるため、ディスカウントを引き出しやすくなります。
節約術7:【手元供養】新しいお墓を買わない選択肢
取り出した遺骨を、必ずしも新しいお墓に入れる必要はありません。自宅で保管する「手元供養(てもとくよう)」を選択すれば、お墓の購入費用も管理費も一切かかりません。
遺骨を専門業者に依頼して「粉骨(パウダー化)」すれば、容積が小さくなり、見た目も遺骨感がなくなるため、自宅のリビングなどでも衛生的に保管しやすくなります。費用は骨壺代と粉骨加工費(1〜3万円程度)のみです。
そもそもいくらかかる?墓じまい費用の相場と内訳
「高い」というイメージが先行していますが、実際の内訳を知ることで、どこにお金をかけるべきかが見えてきます。
【総額】平均費用は30万円〜300万円と幅が広い
墓じまいの総額は、撤去するお墓の大きさ、立地条件、そして「次の納骨先」によって桁が変わります。
- ミニマム(最安): 約30万円(撤去20万 + 合祀5万 + 手続き他)
- スタンダード: 約70〜100万円(撤去30万 + 樹木葬40万 + お布施他)
- ハイエンド: 約200万円〜(撤去50万 + 新規墓石150万 + 離檀料)
【内訳1】墓石の解体・撤去費用(1㎡あたりの相場)
現在のお墓を解体し、更地に戻す費用です。「1㎡あたりの単価」で計算されることが多いですが、トラックやクレーンが入れる「平地」か、階段や狭い通路しかない「難所」かによって倍以上の差が出ます。
- 重機が入る(平地): 1㎡あたり8万〜12万円程度
- 重機が入らない(手作業): 1㎡あたり15万〜20万円程度
【内訳2】お寺への閉眼供養・離檀料
お墓から遺骨を取り出す際に行う「閉眼供養(魂抜き)」のお布施は3万〜5万円程度が相場です。離檀料は前述の通り3万〜20万円程度が一般的ですが、公営・民間霊園であれば0円です。
【内訳3】行政手続きの手数料
役所や寺院、霊園での書類発行にかかる実費です。
- 改葬許可申請手数料:0円〜1,500円
- 埋蔵証明書・受入証明書発行手数料:数百円〜数千円
【内訳4】新しい納骨先の費用(永代供養・樹木葬・散骨)
ここが最も調整可能な費用です。
- 合祀墓:3万〜10万円
- 樹木葬:20万〜80万円
- 納骨堂:30万〜100万円
- 一般墓:100万円〜
- 海洋散骨:5万〜30万円(委託散骨なら安い)
費用がどうしても払えない場合の「資金調達・対処法」
見積もりを取った結果、どうしても予算が足りない場合でも、放置することだけは避けてください。以下の方法で資金調達や負担軽減を検討しましょう。
メモリアルローン(建墓ローン)を活用する
手元の現金が足りない場合、銀行や信販会社が提供する「メモリアルローン(多目的ローン)」を利用できます。
従来はお墓を建てるためのローンでしたが、近年は「墓じまい(改葬)」資金にも使える商品が増えています。千葉銀行の「メモリアルローン」や、石材店経由で申し込めるジャックスなどの信販系ローンがあります。一般的なカードローンより金利が低く設定されているのが特徴です。
親族間での費用分担会議の開き方
墓じまい費用を誰が負担するかは、親族間トラブルの最大の火種です。「長男だから」といって法的に一人で負担する義務はありません。
トラブルを避けるためには、感情論ではなく「見積書」という客観的事実ベースで冷静に話し合うことが重要です。「総額これだけかかるが、相続財産からは出せないので、兄弟で頭割りさせてほしい」と具体的に提案しましょう。
生活保護受給者は「葬祭扶助」が使えるか?
生活保護法に基づく「葬祭扶助」は、困窮者が亡くなった際の最低限の葬儀・納骨に対する支給であり、既存のお墓を片付ける「墓じまい(撤去工事)」費用には一切適用されません。
ただし、神戸市や東京都のように、生活保護受給者に対して公営霊園の「合葬墓使用料」や「納骨料」を減免(半額または無料)にする制度はあります。撤去費は出なくとも、次の納骨費用は抑えられる可能性があります。
絶対NG!「お墓の放置」が招く法的リスク
注意
「払えないから」といって管理料を払わずに放置すると、数年後には「無縁仏」として認定され、管理者によって強制撤去されます。
この際、墓地埋葬法施行規則に基づき、氏名などが「官報」に掲載されるため、社会的信用に関わる可能性があります。また、未納管理料について支払督促や少額訴訟を起こされるリスクもあります。お墓は撤去されても、滞納した債務(借金)は消えません。
補助金申請から受け取りまでの5ステップ
もし運良く補助金や還付金の対象となる自治体に該当した場合、以下の手順で確実に手続きを進めてください。特に重要なのは「着工前」の動きです。
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1Step1:制度の有無と「対象条件」の確認
最も重要なルールは、「工事契約前(着工前)の申請」です。工事が終わった後に領収書を持っていくのでは手遅れになるケースが大半です。まず役所に電話し、制度の有無と申請タイミングを確認してください。
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2Step2:指定業者からの見積書取得
補助金の交付申請には、必ず「工事の見積書」の添付が必要です。この段階で業者を選定し、詳細な見積もりを入手します。
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3Step3:交付申請書の提出と審査
役所の窓口へ申請書を提出します。審査には数週間かかる場合があり、交付決定通知書が届くまでは工事に着手してはいけません。
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4Step4:工事実施と完了報告(写真撮影の必須ポイント)
許可が下りたら工事を開始します。完了報告には「証拠写真」が必須です。
- 着工前(お墓がある状態)
- 施工中(解体中の様子)
- 完了後(更地になった状態)
業者には必ず「補助金申請用なので写真を撮ってください」と事前に依頼しておきましょう。
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5Step5:補助金額の確定と入金
完了報告書を提出し、役所の検査に合格すれば、指定口座に補助金(または還付金)が入金されます。
ケーススタディ:こんな人は補助金・支援を受けられる?
ケース1:お墓が遠方にあり、無縁仏になりそうな人
支援の可能性:高い(公営霊園の場合)
市川市や太田市のように、「管理困難者」や「無縁化対策」を対象とした補助金や、永代使用料還付の対象になりやすいパターンです。役所に「遠方で管理できず、このままだと無縁仏になってしまう」と相談するのが有効です。
ケース2:特定指定石材店しか使えない民間霊園の人
支援の可能性:ほぼゼロ
自治体の補助金は、税金の性質上、公営霊園利用者が対象のケースがほとんどです。民間霊園で指定石材店制度がある場合、競争原理も働かないため費用が高くなりがちです。この場合は、ローン利用や、石材店との粘り強い交渉(閑散期の利用など)が唯一の対抗策となります。
ケース3:土葬のお墓を「墓じまい」したい人
支援の可能性:制度対象だが、自己負担発生の可能性大
土葬の場合、掘り起こし費用や再火葬(洗骨)の費用がかかるため、通常の解体費よりも高額になります。自治体の補助金上限(例:20万円)を超える可能性が高く、足が出た分は自己負担になります。
ケース4:空き家解体と一緒に墓も処分したい人
支援の可能性:流用不可
空き家解体補助金をお墓の撤去費用に流用することはできません。それぞれ別の制度として申請する必要があります。
よくある質問(Q&A)
Q. 墓じまいの費用は確定申告で医療費控除や寄付金控除になりますか?
なりません。医療費控除は「治療」が対象であり、葬祭関連費用は対象外です。また、お寺への離檀料やお布施も、宗教法人への寄付として控除対象にはなりません。ただし、相続税の計算においては、生前に墓じまい費用を支払うことで相続財産を減らし、節税効果を得ることは可能です。
Q. 「空き家解体補助金」をお墓の撤去に流用できますか?
できません。空き家解体補助金は、老朽化して倒壊の恐れがある「建築物」の除却を目的とした制度であり、お墓は対象外です。
Q. 補助金は課税対象(所得)になりますか?
一時所得になる可能性がありますが、実質非課税のケースが大半です。一時所得には「年間50万円の特別控除」があるため、受け取った額が50万円以下(かつ他に一時所得がない)であれば、税金はかかりません。
Q. 永代使用料の返還は、現金で戻ってきますか?
戻ってきます。自治体の規定に従い、指定口座に現金で振り込まれます。これを解体業者への支払いに充てる人が多いです。
Q. 役所にお金がないと相談したら対応してくれますか?
「福祉課」などに相談すれば、分割払いや合葬墓の減免を案内されることがあります。撤去費用そのものを貸してくれる制度はありませんが、社会福祉協議会の「生活福祉資金貸付制度」などが利用できないか相談する余地はあります。
まとめ
墓じまいの費用を抑えるために、あなたが今すぐ取るべき行動は以下の3つです。
ポイント
- 自治体(霊園管理課)へ電話する: 「補助金はありますか?」ではなく、「墓地返還による永代使用料の還付金はありますか?」と聞いてください。
- 相見積もりを取る: 特に公営霊園の場合は、地元の石材店だけでなく、ネットの墓じまい代行業者などを含めて3社以上比較し、最安値を知りましょう。
- 合祀・送骨を検討する: 費用がかさむ原因は「新しいお墓」です。合祀墓や送骨サービスを利用すれば、トータルコストを劇的に下げられます。
補助金という名前の制度がなくても、「還付金」や「免除制度」という形を変えた支援策は確実に存在します。「知らなかった」で数十万円を損しないよう、まずは情報収集から始めてみてください。
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